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2010年12月 8日 (水)

スキルの伝承/守・破・離

仕事を若い人に引き継ごうとするときに、必ずスキルの伝承というテーマに突き当たる。伝統技能の世界では、技能の伝承について「守・破・離」という言葉がある。技能を習得していく段階を言っている言葉で、今の時代にも十分通用する考えだと思う。「守・破・離」では、技能を習得するときには、まず教えられたことを忠実に習得しなさいといっている。これが「守」の段階であり、次の段階が「破」である。「守」で一定の段階まで上達すると、教えられたことを自分がやりやすいように変えて見たり教えを少し破って見て、自分のやり方や個性を出して、自分流を見つける段階である。最後の「離」は、教えられたことから離れて自分自身の独自の道を確立していく段階である。

伝統芸能の世界では、まず型から入る場合が多いが、これは型を身につけることによって知らず知らずの間に、本質的な基礎の部分を体に染みこませていることになる。もっと上達して高い意識のレベルになったときに、型の意味が理解できるようになってくるのだ。

今の時代の仕事についても、先輩たちが伝承してきた技能にはミスやトラブルを避ける知恵が凝縮されていることが多い。初心者のうちはそのやり方をまねることで、知恵の凝縮されたスキルを身に付けることが出来るわけで、上達するに従って次第にその作業や動作の意味が分かってくるのである。理解できないといって守の段階を飛ばして、破や離から入ろうとするのは自己流であり、せっかくの先人の知恵を捨ててゼロからスタートするのと同じである。ミスやトラブルも発生するし、一定レベルに達するまでに時間が掛かってしまい効率も悪い。
スキルの伝承では、守の段階が最も重要だと思う。破と離は応用コースであり、本人の能力と技量による部分が多く本人に任せておけばよい。

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