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2013年6月12日 (水)

宮大工棟梁/国宝薬師寺展

国宝薬師寺展が石川県立美術館で開催されているが、薬師寺はこの40数年間に白鳳伽藍の復元を進めてきていて、金堂や西塔や講堂などが次々と復元されてきた。この金堂や西塔の復元には西岡常一と言う人が棟梁として大きく関わっていた。
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西岡棟梁は法隆寺の宮大工の家に生まれ、子どもの頃から祖父より大工の手ほどきを受けて棟梁としての心得や法隆寺の宮大工の技や口伝を伝授され、法隆寺の大修理や薬師寺の金堂や西塔の復元を手がけた人として知られており、古代建築を伝える最後の宮大工とも言われていた。西岡棟梁の残した名言や西岡家に代々伝わる口伝がなかなか含蓄がある。
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20年ほど前に購入した「木に学べ」「木のいのち木のこころ」という本を引っ張り出して久しぶりに読んでみた。
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本を読んでみると、西岡棟梁には、木でも特に伽藍を造る構造材の檜についての深い思い入れがあって、木に関する名言が多いが、それはそのまま伽藍を建てる宮大工に対する思いと重複してくる。木も人も使うときは個々の育ち方や個性を大切しなければならないと言っている。
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名言・口伝
・個性を殺さず癖を生かす。人も木も、育て方、生かし方は同じだ。
・塔組みは木組み 木組みは木性組み 木の性組みは人組み 人組みは人の心組み 人の心組みは棟梁の工人への思いやり
・強い木は強く、弱い木は弱いなりにうまく木の質を見抜き、それぞれを使える所に使う。
・今のようになんでも規格に合わせて、同じようにしてしまうのは、決していいことではないですな。
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今の世の中は仕事もマニュアル化され規格化が求められて、個性や癖はある意味邪魔な存在とされているが、名言・口伝では、「塔組みは樹のくせ組み、人の心組み。」や「強い木は強く、弱い木は弱いなりにうまく木の質を見抜き、それぞれを使える所に使ってます。」と言っていて、個性や癖も逆に強みとして活用するべきとしている。
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先日のサッカーの日本代表の会見で、本田選手が「自立して個を高める」ことが必要だと言っていたが、西岡棟梁の言葉と通じる所があるようだ。

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