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仏像彫刻

2018年8月25日 (土)

仏像彫刻/阿弥陀如来の彫刻-3

昨年知人の大工さんからきれいなヒノキの角材をもらったのがきっかけで、阿弥陀如来差座像を作ってみようと思い立って昨年8月初旬から作業を開始した。ブログにも制作過程をシリーズで載せるつもりで、第一回目は8月21日付の記事をアップした。当初は作業も順調に進みシリーズの2回目も9月上旬にアップしたが、その後は彫刻作業もブログのアップも停滞してしまっていた。

彫刻作業の停滞の原因は、彫刻中に彫りすぎてしまった箇所をどうやって修復しようかと迷っている間にだんだんモチベーションが下がってしまい、ほったらかしになってしまったことにある。下の写真は昨年8月下旬頃のもの。体の中心線が定まらずバランスが崩れているので、罫線を引いたベニヤ板の上に乗せて区割り線を正確に入れ直しているところ。
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今年3月までほったらかしにしていたが、少し制作を進めなければと彫り進めて、かなり仏像らしくなってきたところ。4月に入ると桜の追っかけに忙しくなって仏像彫刻はまたまた棚上げになってしまった。
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今年の7月中旬以降は酷暑続きで、外出すると生命の危険を感じるような暑さのため、ウォーキングにもほとんど出かけず冷房を掛けた室内で過ごすことが多くなったが、こんな時こそ仏像彫刻だと制作に精を出したので、作業は一気に進んで仏像本体はほぼ完成の状態になった。まだ台座も光背も出来ていないので、きれいな角材の上に仮置きしてある。
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台座も光背も作りたいが材料の入手から考えなければならないので、こっちの方もまたしばらくかかりそうだ。

2017年9月 2日 (土)

仏像彫刻/阿弥陀如来の彫刻-2

前回は元の木材から必要な大きさの木材を切り出して、一部寸法の不足するところに木を接着して必要な木の塊を作る木取りのところまで書いたが、今回は荒彫りの工程になる。

教本の写真を参考にしながら、木に3センチ間隔の縦横の罫線を引き下絵を描き込み、次に不要な部分を削り落としていく。削り落としてしまうと下絵がなくなってしまうので、再度大まかな下絵を描きながら作業を進めることになる。その際基準になるのが当初の下絵の際に縦横に書き込んだ罫線なので削る際にも全部削り落とさずどこかに一部を残しておく必要がある。残した罫線を手掛かりに罫線を再度引き直すことになる。
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先日作った作業台に木材をクランプで固定して少しずつ鑿で削り顔や胴体の丸みを出して手足も彫り出していくと少し形が現れてきた。
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当初、罫線は物差しと鉛筆で入れていたが不定形の立体物に縦横の罫線を書き込むのはなかなか難しい。そこでトースカンという道具をネットで購入した。この道具は彫刻や陶芸などで先端にケガキ針や鉛筆を取り付けて対象物に水平線を引くもので、鉛筆の先端に対象物を当てて仏像をそっと回転させると凹凸に合わせて水平線を引くことができる。
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縦線はさすがに引けないが、横線は正確に引くことができるようになった。






2017年8月21日 (月)

仏像彫刻/阿弥陀如来の彫刻-1

数か月前知人の大工さんが、「年を取ったし大工の仕事を辞めることにしたので欲しい木があったらやるぞ」といって作業場に連れて行ってくれた。加工しかけた木材や使うつもりで購入したが在庫になった床柱など、さすが本職の仕事場でいろんな木材がたくさんある。

そんな中で彫刻に使えそうな、ヒノキ、ヒバ、ケヤキ、マツなど長さ1メートル前後の端材を全部で5~6本もらってきた。その中でもヒノキの角材は450×180×100mmで立派な木なのだが残念なことに縦に割れがあってそのままの寸法では使えない。割れのない部分は20センチくらいあるので200×180×100mmは使えそうだ。

数年前に大日如来を彫ってからは仏像彫刻から遠ざかっていたが、せっかく良いヒノキ材を入手したこともあり何か作りたいなと思って本屋さんで仏像彫刻の本を見ていたら「阿弥陀如来を彫る」という本を見つけた。早速買い求めて阿弥陀如来坐像を彫ってみることにした。本の作例では下図の1マスが1寸6分になっていたが、木材の大きさから逆算して1マス1寸(約3センチ)に縮小して作ることにした。
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もらったヒノキ材からヒビの入った部分などを取り除いて彫刻に必要な部分を切り出しているところ。
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下図に合わせて不要な部分を鋸で切り落としているところ。
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木材の奥行きが1センチほど不足していたので、別の木をボンドで貼り付けているところ。
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何とか木どりが終わったところ。先日作った作業台が役に立った。
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これから少しずつ彫っていくつもりだが、なかなか思ったようには進まないはずなので不定期で随時進捗状況を載せていきたいと思う。

2014年1月16日 (木)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-8(最終回)

2年前に作り始めて、ブログにもシリーズとしてアップしてきたが、昨年の2月のシリーズ7を最後に製作がストップしていた。最初の頃は材料から大雑把に削り出していくところなので作業の結果がよく見えて面白いのだが、形が出来てくると細かい部分の作業が増えてきてなかなか仕事がすすまない。

髪の毛や宝冠や腕や胸の飾り物などの造作の彫り込みはすごく工数が掛かってしまうためだんだん彫刻刀から遠ざかってしまう。この1年はほとんど進展がなかったが、12月からようやく完成させなければという気持ちになって作業を開始した。12月・1月と細かい部分を彫っていたがなんとか本体は完成した。本来は台座と光背があるのだがまだ作っていないのでこれからおいおいと作っていくことにしよう。
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お手本の本体と台座・光背の写真
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大日如来製作記事は  カテゴリー  「仏像彫刻」  にあります。

2013年2月18日 (月)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-7

昨年の2月に大日如来の彫刻し始めてから丸一年が経った。ブログにも制作経過をシリーズで投稿して、2月3月は順調に作業も進んだが、シリーズ5あたりから作業が進まなくなってしまった。

元の木から大きく削り出すところは変化も目に見えるので作業も進むのだが、大まかな形が出来てくると細かい部分の彫りになるので少し彫るにも時間がかかってしまう。あまり作業が進んだようには見えないので、ブログにアップするタイミングも難しくなる。7月にシリーズ6をアップして以降は作業もストップしたままになっていてブログへのアップも止まったままになっている。

最近また少し彫り始めたが、左右のバランスなどのずれているところの修正や衣紋の彫り込みをした。あまり変化は分からないが傾いているように見えたところが修正されたので、端正な感じが出てきたようだ。

暖かくなると休日は庭仕事も忙しくなるので、3月一杯までには本体だけでも完成させたいものだ。
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2012年7月15日 (日)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-6

大日如来の彫刻は2月に始めて、シリーズでブログにアップしてきたが3月7日の5回目を最後にストップしていた。3月中はまだ作業を進めていたが、細部の彫り込みは時間が掛かる割には、見た目がなかなか進んでいるようには見えないためアップものびのびになってしまっていた。

この土日は、蒸し暑いし外出もせず部屋に冷房を入れて大日如来の彫刻作業おこなっていた。おかげで作業も少し進んだし、見た目にも前回よりは進んでいるのが分かるようになったのでアップする事にした。

今回は、顔や髪の一部を彫ったのと、腕を一旦切断して胴の部分を彫り、衣紋も掘り進めた。切り離した腕も内側部分を彫った。

冠の装飾や首飾り腕飾りの装飾はまだ彫っていない。細かくバランスをチェックしながら彫っていたつもりだが、腕を取り付けてみるとバランスが微妙にずれている気がする。
底の部分を切断した時に少し傾いて切断したのかもしれない。

写真は腕を切り離した状態の本体と腕部分。別々に彫って最後に接着する。
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腕を本体に仮付け(両面テープ)したところの前後左右
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大日如来彫刻シリーズのバックナンバーは 仏像彫刻カテゴリー から

  

2012年3月 7日 (水)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-5

彫り始めて約1ヶ月が経過した。今回は腕と胴が彫り分けられ、顔も目鼻立ちを彫り込み、手の指も、少しそれらしい形になってきた。毎日彫っているわけではないので、作業は少しずつしか進まないが、それでも、ここまでは作業の進み具合に応じて、仏像の形は比較的はっきり変化してきている。

でも、これからの作業は、顔の表情や、手足の指、衣のヒダ、装具など細かい部分を彫る必要があり、少しの部分にも時間がかかるので、見た目の進み具合はグッと遅くなるだろう。

この後の作業は、腕の裏側と胴の部分を彫るために、一旦、腕を腕輪の下で切断して、腕の裏側と胴を彫って行き、最後に接着することになる。
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2012年2月26日 (日)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-4

鋸で材料の木材から、大まかな形を切り出し、次に鑿でざっくりと不要な部分を落としたら、今度は主に彫刻刀を使って形を彫り出していく作業だ。大き目サイズの彫刻刀の丸刀と小刀を主に使って、顔、手、足などを彫り出していく。全体のバランスを確認しながら、彫り過ぎないように、でも、位置がズレないようにギリギリの線を見極めながら彫刻刀を入れていく。
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やや太めながら、ようやく大日如来の形が少しずつ現れてきた。

2012年2月16日 (木)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-3

鋸で大まかな形を切り出したら、今度は鑿で不要な部分を落としていく作業になる。角張ったところを落として全体に丸みが出るように彫っていく。彫り進むと、最初に書いた下絵がなくなってしまうので、改めて大まかな線を書き込んでその線に沿って彫りこんでいく。
その際、賽の目に入れた罫線が基準になるので、底部などに罫線を残しておいてそれを基準にして下絵を入れていくことになる。ゆがんだ下絵を書くと彫っている仏像もゆがんでしまう。
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2012年2月12日 (日)

仏像彫刻/大日如来の彫刻-2

いよいよ彫刻開始だ。下絵を入れた木を鋸で不要部分を切り落としていく。あまりギリギリに鋸を入れると大事な部分まで切ってしまうので、少し余裕を持って切り落としていく。でも、4面全部落としてしまうとせっかく入れた下絵や罫線がみえなくなってしまうので、下絵を少し残しながら鋸を入れていく。

下絵を入れた木材と、切り落とした木材。
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鋸で大まかな形を切り出したところ。
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下絵を入れて、今度はノミで角を落として少し丸みが出てきた。
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